宝塚記念で勝った馬は凱旋門賞制覇を期待される理由

2020年06月29日に開催された第61回・宝塚記念。サートゥルナーリアやラッキーライラックなどの有力馬を抑えて、2着馬に6馬身差で圧勝したクロノジェネシス。凱旋門賞遠征を望む声が、TwitterなどのSNSで多く見受けられます。宝塚記念の勝利馬が凱旋門賞に適正があると言われるのはなぜなのでしょうか。

阪神競馬場
阪神競馬場の入口

宝塚記念のコースと馬場傾向

  • 阪神競馬場・第3回開催の最終週で芝が荒れていて道悪
  • 梅雨の時期で前日や当日に雨が降る場合が多く重馬場になりやすい
  • スタンド前の上り坂を2回駆け上がる2,200mの中距離コース

凱旋門賞のコースと馬場傾向

  • 日本の競馬場よりロンシャン競馬場の芝は長く水はけも悪い
  • 雨が頻繁に降り芝が生えている土部分はぬかるんで重馬場になりやすい
  • レース序盤に上り坂を駆け上がる2,400mの中長距離コース
パリロンシャン競馬場
パリロンシャン競馬場のレースコース

馬場状態が似ている

どちらのレースも馬場が重く不良馬場で開催されることが多いため、宝塚記念の勝利馬や強い競馬をした馬は凱旋門賞に通用するのではないかと言われています。その説を裏付けるように、過去の凱旋門賞で日本馬の最高順位・2位を記録したディープインパクトとオルフェーヴルは、宝塚記念を共に制しています。2019年の有馬記念で引退したリスグラシューも、2019年の宝塚記念を制したこともあり、凱旋門賞に挑戦せずに現役を終えたことが惜しまれました。

2019年有馬記念のリスグラシュー
リスグラシュー(2019年有馬記念)

2019年と2020年の宝塚記念に2年連続出走し、2位と好走したキセキも、2019年の凱旋門賞に海外遠征しました。2019年の日本からの遠征馬の中で、最も順位のよかったのは7位のキセキでした。2019年のパリロンシャン競馬場の馬場は、前日と当日の朝に雨が降ったことでぬかるんでいました。日本馬が上位に食い込むことができず、日本の競馬ファンからはあまり評価されなかったようですが、世界中から各国を代表する強豪馬が終結する凱旋門賞で7位という成績を残したのはすごいことで、十分通用した結果だと言えると考えます。

2019年凱旋門賞のキセキ
キセキ(2019年凱旋門賞)

反対に、東京競馬場などのパワーを求められない高速馬場を得意とする馬にとっては、スローペースで流れる展開になりやすい凱旋門賞の適正は低いと考えられます。宝塚記念も高速馬場巧者は勝ちづらいレースと言われており、重馬場適正が求められます。今年の宝塚記念を勝利したクロノジェネシスは、2020年の京都記念でも重馬場の道悪を楽な手応えで制しています。それだけでなく、クロノジェネシスの父馬は2004年に凱旋門賞を勝利したバゴ。凱旋門賞にぜひ挑戦してほしいですね。

2019年凱旋門賞のブラストワンピース
ブラストワンピース(2019年凱旋門賞)
2019年凱旋門賞のフィエールマン
フィエールマン(2019年凱旋門賞)

宝塚記念の歴代優勝馬・騎手

優勝馬騎手
第61回2020年クロノジェネシス北村 友一
第60回2019年リスグラシューD.レーン
第59回2018年ミッキーロケット和田竜二
第58回2017年サトノクラウンM.デムーロ
第57回2016年マリアライト蛯名正義
第56回2015年ラブリーデイ川田将雅
第55回2014年ゴールドシップ横山典弘
第54回2013年ゴールドシップ内田博幸
第53回2012年オルフェーヴル池添謙一
第52回2011年アーネストリー佐藤哲三
第51回2010年ナカヤマフェスタ柴田善臣
第50回2009年ドリームジャーニー池添謙一
第49回2008年エイシンデピュティ内田博幸
第48回2007年アドマイヤムーン岩田康誠
第47回2006年ディープインパクト武豊
第46回2005年スイープトウショウ池添謙一
第45回2004年タップダンスシチー佐藤哲三
太字は宝塚記念の勝利馬で凱旋門賞に遠征した馬

パリロンシャン競馬場の馬場を実際に歩いてみた

パリの天気は年間を通して不安定で変動が激しいです。晴れていると思ったら段々と曇り始め1時間後には雨が降ったり、その1時間後には止んだりします。雨が降らない日のほうが少ないため、凱旋門賞が行われる当日や前日に1日中晴れる可能性は過去の傾向を見ても低いです。つまり良馬場でレースが行われる可能性は低く、重馬場での開催となる傾向です。

芝コースと同じ芝を歩ける観戦スペース
芝コースと同じ芝を歩ける観戦スペース

また、ロンシャンの馬場は水はけが悪く、日本の馬場のように濡れているというだけではなく、グニュっとした泥状になってしまいます。ロンシャンの観戦スペースは芝コースと地続きになっているので、現地へ行けば実際に歩いて日本の馬場との違いを体験することができるのですが、1歩踏み出すたびにヒールのピンヒール部分が3cmくらい埋まってしまいます。日本の馬場とは全くの別物だと聞いたことはありましたが、まさかこんなに違うとは思わなかったので驚きました。要するに凱旋門賞は多くの日本馬にとって、走ったことのないグニュグニュしたコースを2,500mも走らなければならないということです。日本の馬場は水はけがいいので同じ状況でレースをすることは早々起こりえないので、日本馬からしたら経験がない舞台なわけです。これが多くの日本馬を苦しめている一番の原因と言えそうです。


投稿日:2020年06月29日

更新日:2020年06月29日